「搾取され続けるサラリーマン」は国家に逆襲できるのか?──無税生活は本当に可能なのか

「搾取され続けるサラリーマンは国家に逆襲できるのか」という日本語テキストと、巨大な「国家」のキャラクターに立ち向かうスーツ姿のサラリーマンのイラスト。社会保障や税負担に対する問題提起を表現。

「手取りを増やす」──
国民民主党が掲げるこのわかりやすい目標は、今、多くのサラリーマンに刺さっています。

でも実は、かつて与党も「資産所得倍増」や「賃上げ促進」を掲げていたこと、覚えていますか?

2024年、内閣府が職員を対象に行った政策コンテスト。
そこで優勝したアイデアのひとつが、今あらためて注目されています。


「残業から副業へ」──異例の政策アイデア

その提案はこうでした。

「すべての会社員を個人事業主にして、定時以降の残業は副業として受託する」

副業を“残業代の延長”としてではなく、“個人事業主からの業務委託”にする。
これによって、社会保険料と税金の負担を合法的に軽減できる、という仕組みです。

  • 会社側:人件費(社会保険料負担)を削減できる
  • 社員側:手取り収入が増える
  • 社会保障:負担が減る分、賃上げが実現しやすくなる

──一見すると、「みんな得をする」ような仕組みですよね。


でも、現実は甘くなかった

このアイデアは表彰されたものの、
ネット上では「偽装請負だ!」「脱法行為を認めるのか!」と大炎上。

あっという間に内閣府のホームページから削除され、
誰も触れたがらないタブーのようになってしまいました。

なぜ、こんなに拒否反応が強かったのか。
本当に、このアイデアは「悪」だったのか?


橘玲氏の分析──「損か得かで考えてみよう」

ベストセラー作家の橘玲さんは、新著『新・貧乏はお金持ち』でこの問題に真正面から向き合っています。

橘氏は冷静にこう言います。

「怒りの拳を振り上げる前に、なぜこれで収入が増えるのかを考えてみよう」

ポイントは、
「労働法違反かどうか」以前に、「この仕組みがどんなメリットを生むか」をまず理解すること。


なぜ副業にすると手取りが増えるのか?

橘氏の解説を簡単に整理すると──

  1. 社会保険料の減額効果
    会社員は、厚生年金や健康保険の保険料を給与ベースで支払っています。
    ところが、定時以降の仕事を個人事業主扱いにすれば、その分の給与支払いが減り、保険料の対象額も減少。
    結果、社員も会社も負担が減り、手取りが増える。
  2. 経費計上による所得税軽減
    個人事業主は仕事に必要な支出を「経費」として計上できます。
  • 家賃・光熱費(仕事スペース分)
  • スマホ・通信費
  • 書籍・新聞・資料代
  • 交通費、パソコン、車両費用

これらを差し引けば、残業代から得られる事業所得は赤字になる可能性も。
赤字は給与所得と相殺でき、結果的に所得税も大幅に減額される──。

つまり、「残業副業化」によって、
社会保険料も所得税も両方軽減できるというわけです。


じゃあ、「無税生活」って本当にできるの?

ここで登場するのが、37年間無税生活を送ったサラリーマン、只野範男さんです。

只野さんは、趣味のイラストを開業届で正式に「事業化」。
売上より経費の方が多い状態(赤字)を作り続け、
本業の給与所得と相殺して、所得税ゼロを維持し続けたと言います。

この発想は本当に衝撃的ですよね。


でも、簡単じゃない理由

橘玲さんはこう警告します。

「無税生活を実現するには、“事業所得”と認められる必要がある」

趣味を単に「事業」と名乗るだけではダメ。
税務署は、

  • 社会通念上、事業と認められるか?
  • 生活の糧を得る目的があるか?
  • 継続性、独立性があるか?

など厳しくチェックします。

昭和56年最高裁判決などでも「趣味活動は事業所得と認めない」という基準が確立されており、
もし認められなければ、雑所得扱いとなり、損益通算もできません。

つまり──
理論上は可能でも、現実には税務署との「見えない綱引き」が必要なのです。


「国家に逆襲する」ということ

結局のところ、
この仕組みは「国家に逆襲する」ことを意味しています。

国は社会保険料と税金という形で、私たちから静かに収奪していく。
でも、きちんとルールを理解し、合法的な手段を駆使すれば、
その流れに小さな穴をあけることができるかもしれない。

逆襲とは、単なる怒りではなく、
「冷静に、計算して、自分の人生を取り戻すこと」なのだと感じました。


最後に

「誰もが得する魔法の政策」なんて、やっぱり存在しません。

でも──
知ろうとすること、学ぼうとすること。
そして、与えられるのを待つんじゃなくて、自分から一歩踏み出すこと。

この積み重ねこそが、
搾取され続けるサラリーマンが、未来を取り戻す唯一の道なんじゃないか。
私はそう思いました。


この記事のもとになったニュースはこちら:
▶︎ 搾取され続けるサラリーマンは国家に逆襲できるのか|Yahoo!ニュース

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